くずは相続・遺言・成年後見相談センター 佐藤好恵行政書士事務所

コラム

遺言能力について~お元気な内に準備する大切さ~

 遺言するためには『遺言能力』が必要です。
 民法963条で「遺言者は遺言をする時においてその能力を有しなければならない。」と規定されており、『遺言能力』とは「遺言内容を理解し、遺言の結果を認識できるだけの能力」等といわれます。ただ、具体的にどういった要件が揃っていれば遺言能力が有ると認められるのかは、ケースバイケースです。
 当方が、遺言書作成支援のご依頼をいただいた際、この『遺言能力』という点には非常に気を使います。特に、お問合せがご本人からではなくご親族からの場合、例えば「父が遺言書を作成したいと言ってます。」といったケースでは、実際にお父様にお会いしてみると、ご家族の名前や生死も思い出せない等、遺言能力的に難しいなということも稀にあります。
 そういった場合は、率直に「今回、遺言書を作成されても、後々、遺言能力の有無でもめ事が発生する可能性もあります。折角、揉めないようにと遺言書を作成された結果、逆に、死後にその有効性で争いが起こってしまったら悲しいことです。」とお伝えをしてご支援を辞退することもあります。
 また、逆に、ご面談する中で、少し頼りないかなと感じる部分もあるけれど、遺言したいというご本人自身のお気持ちが非常に強く、内容がとてもシンプル、例えば「全財産を妻に相続させたい」であり、ご本人がその理由もしっかりお話しされているようなケースでは、公正証書での作成をご提案し、公証人にご本人の様子をしっかりと伝えた上で、作成可能ということであればご支援しています。
※ 【注意】公正証書で遺言書を作成しても、死後、紛争になっているケースもありますので、公正証書で 作成すれば必ず有効であるということではありません。
 先に記載したように、遺言能力有無の判断には具体的な要件はなく、遺言者の年齢・健康状態・遺言時の判断能力・遺言内容の複雑さの程度・各親族との関係性・日頃どういった発言をしていたか等々、様々な要素を考慮してケースバイケースです。AさんとBさんが同程度の判断能力であっても、内容が単純だったAさんの遺言書は有効と判断され、内容が複雑だったBさんの遺言書は無効と判断されるようなこともあります。
 お元気な内は「まだまだ遺言書なんて早い」と思われている方も沢山いらっしゃいますが、上記『遺言能力』の観点から、お元気でしっかりされている内に早めの準備がとても大切です。

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