コラム
「デジタル遺品」、よく耳にする言葉ですが、実は明確な定義はありません。一般的には、①パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器に保存された写真や文書などのデータ、②インターネットサービス(SNS・ネット銀行・サブスクリプションサービスなど)のアカウントなどを指します。
総務省の令和3年版「情報通信白書」によると、スマートフォンやタブレットの利用状況(「よく利用している」又は「ときどき利用している」)の回答は、18~59歳では9割以上、60~69歳では73.4%、70歳以上は40.8%となっており、今後の相続への備えとして『デジタル遺品』対策は外せないものとなりつつあります。
実際に、現在でも下記の様なトラブルが発生しています。
・ 亡父がネット証券を利用していたようだが、どの証券会社を利用していたか、どういった取引をしていたか
全くわからない。相続税が発生するか微妙な財産額なので、早く内容を把握したいができずに困っている。
・ 亡叔母が動画や音楽の有料会員サービス(サブスクリプション)を利用していたようだ。速やかに利用停止
したいがアカウントなど登録情報が分からず手続きができない。
・ 亡夫が生前「仮想通貨に投資している」と言っていたが、どこでどういった取引をしていたのか全く分から
ず換金のしようがない。また、相続発生時点の金額もわからないため、相続税がどうなるのか不安である。
こういったトラブルを回避するための事前の備えとしては次のような方法があります。
① スマートフォンやパソコンのパスワードを書いたメモを残しておく(名刺大の厚紙に記入し、上から修正
テープを2~3回重ねマスキングすることで、手製のスクラッチカードになるそうです。家族に「万が一の時
は、マスキングを削り取って確認して」と声掛けしておいてくださいね。)
② エンディングノートを活用する(ネット銀行・ネット証券の情報、利用している定額サービス名とアカウン
トなどの一覧を記入しておきます。ノートの保管場所には注意が必要です。)
③ スマートフォンの故人アカウントに関するサービスを利用する(Apple、Googleでは、アカウント保有者の
死後、アカウントの情報にアクセスできる人を選び、生前に設定できるサービスを提供しています。)
「デジタル遺品」は目に見えない分、イメージしづらいですが、残された家族が困らないために、『デジタル遺品の備え』を是非ご検討いただけたらと思います。